資金計画

コンサル開業の資金は、
何か月分を用意するか。

同業の社長から相談されていて、コンサルを始めたい。でも、売上が立つ前のお金が心配という方は多いはずです。この記事では、最初の6か月に出ていくお金を先に数え、自己資金・公庫の融資・補助金のどれで埋めるかを決める手順をまとめます。

執筆:長尾孝太郎(株式会社GSホールディングス 代表) / 最終更新: / 9分で読めます

この記事は、コンサル開業支援を提供する株式会社GSホールディングスが書いています。構成と下書きにAIを使い、公開前に数字と制度を出典の一次資料と照合しています。法令の個別の判断は専門家にご確認ください(編集方針)。

収支の図を指し示しながら打ち合わせをする手元(イメージ)
写真はイメージです(AIで作成した架空の場面で、実在の人物・顧客ではありません)

最初に結論

結論:最初の6か月分の支出を、売上がなくても払える形で用意してから始めます。当社のスタートプランなら、初期100万円と、月額30万円+広告費20万円の6か月分で、合計400万円(税別・料金と条件)が目安です。足りない分は、自己資金を中心に、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」を検討します。補助金は交付決定前の支出が対象外のため、開業資金の柱にはしにくい制度です。

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なぜ「6か月分」で考えるのか

コンサルの売上は、顧問先と契約してから毎月入ります。一方で、集客の仕組みづくりの費用は、契約の前から出ていきます。この順番のずれが、開業時の資金不足の主な原因です。

当社の契約期間は2年です。最初の6か月は原則として解約できず、7か月目以降の解約には月額3か月分の解約金がかかります。6か月目に当社が約束した作業量を守れていなければ、違約金なしで解約できますが、成果は判定に入りません。つまり、少なくとも6か月間は集客の成果がなくても払い続ける前提で資金を組む必要があります。

また、契約から公開・集客開始までは最短30日の予定です。素材の提供が遅れると、さらに後ろにずれます。広告から問い合わせが来て、面談し、契約するまでにも時間がかかります。そのため、最初の数か月は既存の見込み顧問先からの収入だけで考えるのが安全です。

本業の利益を当てにしすぎない

本業が順調な社長ほど、本業の利益で払えばよいと考えがちです。ただ、本業の資金繰りと混ざると、コンサル事業が赤字なのか黒字なのかが見えなくなります。コンサル用の口座や予算を分け、6か月分を先に確保しておくと判断がぶれません。

プラン別に、最初の6か月で出ていくお金

まず、出ていくお金を数えます。下の表は、当社の各プランで最初の6か月に払う金額を、/factsの料金どおりに足したものです。広告費は当社の目安の下限で計算しています。

金額はすべて税別。広告費は各プランの目安の下限。サーバー代などの実費(月0〜1万円程度)、税金、財務コンサルへの報酬、自分の時間は含みません。
プラン初期費用月額+広告費(月)6か月の合計
スタート100万円30万円+20万円=50万円400万円
グロース150万円50万円+30万円=80万円630万円
フル200万円80万円+50万円=130万円980万円

この金額は消費税を含みません。実際の支払いでは消費税分も手元に必要です。さらに、サーバー代やツール代などの実費が月0〜1万円程度かかります。資金計画では、表の金額に少し余裕を足しておきます。

費用の回収や何社で黒字になるかは、開業費用と回収の目安で詳しく整理しています。この記事では、回収の前に「お金が尽きないか」を確かめることに絞ります。

仮の例:顧問先2社のまま6か月たった場合

次に、入ってくるお金を置きます。ここでは厳しめに、すでに見込みのある顧問先2社と契約し、6か月間まったく増えなかった場合を仮の例として計算します。顧問料は1社月20万円とします。

月の収入は20万円×2社で40万円です。月の支出はスタートプランの月額30万円と広告費20万円で50万円です。毎月10万円ずつ足りなくなり、1か月目は初期費用100万円も出ていきます。

-180-160-140-120-100-80-60-40-200-1101か月-1202か月-1303か月-1404か月-1505か月-1606か月万円
仮の例:顧問先2社・顧問料月20万円のままの累計の手元資金(税別)
仮の例。スタートプラン(初期100万円、月額30万円、広告費月20万円)で、収入は顧問料20万円×2社のみと置いた試算。税金・財務コンサルへの報酬・実費・自分の時間は含みません。

この仮の例では、6か月後の累計は160万円のマイナスです。顧問先が1社も決まらない場合は、400万円がそのまま出ていきます。用意する資金は、少なくとも160万円、できれば400万円を目安にすると、途中で止まる心配が小さくなります。

顧問料や顧問先の数は、社長ごとに違います。自分の数字で同じ計算をするには、12か月の収支計画の作り方の表を使うと手早く出せます。

資金の用意の仕方を比べる

足りない分をどう用意するかを決めます。主な選択肢は、自己資金、日本政策金融公庫の融資、補助金の3つです。それぞれ、使える時期と手間がまったく違います。

制度の内容は、出典の公表資料(日本政策金融公庫、小規模事業者持続化補助金 第17回公募要領)にもとづく概要です。
方法向いている使い方注意点
自己資金初期費用と、最初の数か月の月額・広告費本業の運転資金と分けて管理する
公庫の新規開業・スタートアップ支援資金6か月分の不足を埋める運転資金事業計画が必要。既存の会社が新しく始める場合の扱いは窓口で確認
小規模事業者持続化補助金交付決定の後に行う広告・販路開拓交付決定前の発注・契約・支払いは対象外。ウェブサイト関連費だけの申請はできない
本業の利益不足が出たときの予備コンサル事業の損益が見えにくくなる

開業の時期に間に合うのは、自己資金と融資です。補助金は、公募・申請・審査・交付決定と順番に進みます。交付決定より前に契約や支払いをした費用は対象になりません。そのため、すでに始めたい時期が決まっている場合は、補助金を前提にしない計画が安全です。

公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の要点

日本政策金融公庫の国民生活事業には、開業する人向けの「新規開業・スタートアップ支援資金」があります。公表されている主な条件を、次の表にまとめました。利率は、要件を満たすと特別利率になる仕組みです。

出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」。最新の条件は公庫のページと窓口で確認してください。
項目公表されている内容
使える人新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
条件適正な事業計画を作っており、計画を進める力が十分あると認められる方
使いみち事業を始めるため、または始めた後に必要な設備資金と運転資金
融資限度額7,200万円
返済期間設備資金20年以内、運転資金10年以内(どちらも据置期間5年以内)
利率基準利率。女性・35歳未満または55歳以上の方などは特別利率
担保など希望を聞きながら相談

コンサル事業は、設備よりも広告費や外注費などの運転資金が中心です。運転資金の返済期間は10年以内で、据置期間を5年以内まで取れるとされています。据置期間を使うと、売上が立つまでの返済の負担を軽くできます。

特別利率の対象は、女性・35歳未満または55歳以上の方のほか、認定創業支援等事業を受けた方など、細かく決められています。自分が当てはまるか、また既存の会社の新事業として使えるかは、個別に判断されます。申込前に公庫の窓口や、顧問の税理士など専門家に確認してください。

資金計画を作る5つの手順

  1. 1支出を数える6か月分を合計
  2. 2収入を置く見込み顧問先だけ
  3. 3不足を出す最悪の場合も
  4. 4調達を決める自己資金と融資
  5. 5余裕を足す税・実費の分
開業資金の決め方
  1. プランの初期費用と、月額+広告費の6か月分を合計します。消費税と実費の分も別に書き出します。
  2. 収入は、すでに相談してくれている見込み顧問先だけで置きます。広告から増える分は、計画には入れません。
  3. 毎月の差額を足し上げ、6か月後の累計の不足を出します。顧問先が0社の場合も一緒に計算します。
  4. 不足分を、自己資金と融資のどちらで埋めるかを決めます。融資を使うなら、事業計画書を先に作ります。
  5. 税金や予定外の支出に備えて、余裕を足します。本業の資金とは口座を分けて管理します。

この手順で出した金額が、今の手元資金で足りるか。足りないなら、どのプランから始めるのが無理がないか。ここまで決まると、契約の判断がしやすくなります。

契約する前に確かめたいこと

資金の計画ができたら、契約の前に次の点を確認します。どれも、6か月の途中で慌てないための確認です。

  • 見込みの顧問先が2人以上いるか。または、すでにコンサルとして顧問をしているか。
  • 広告費として、プランの目安(スタート月20万円〜・グロース月30万円〜・フル月50万円〜)を6か月続けて出せるか。
  • 顧問先と会う時間を、本業と別に毎月とれるか。
  • 融資を使う場合、申込から入金までの期間を開業日から逆算しているか。
  • 補助金を使う場合、交付決定の前に契約・支払いをしない計画になっているか。

当社では、この3つ(見込みの顧問先・広告費・時間)がそろっているかを、無料相談で一緒に確認しています。顧問先が10社を超えた後は、広告費を社長が自由に決められます。

よくある質問

コンサル開業の資金は、最低いくら必要ですか?

当社のスタートプランでは、初期100万円と、月額30万円+広告費20万円の6か月分で合計400万円(税別)が目安です。見込みの顧問先2社(月20万円)がいる仮の例では、6か月の累計の不足は160万円です。

日本政策金融公庫の融資は、コンサル開業に使えますか?

「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方などが、設備資金と運転資金に使える制度です。ただし事業計画の審査があり、既存の会社の新事業として使えるかも個別判断です。公庫の窓口で確認してください。

補助金で開業費用をまかなえますか?

小規模事業者持続化補助金は、交付決定より前の発注・契約・支払いが対象外です。第17回公募要領では、ウェブサイト関連費だけの申請もできません。開業の時期が決まっているなら、補助金を前提にしない計画が安全です。

本業の会社のお金で払ってもよいですか?

払うこと自体はできますが、本業の資金繰りと混ざると、コンサル事業の損益が見えにくくなります。予算や口座を分けて管理するのがおすすめです。会計や税務の扱いは、顧問の税理士に確認してください。

NEXT STEP

業界の経験に、財務の目を。信頼されるコンサル事業を、2人で始める。

現場は社長、数字は財務コンサル。2店舗目や資金繰りまで相談に乗れる顧問サービスにして、顧問先を集める仕組みと立ち上げの助言は当社が担当します。月30万円〜(税別)・広告費は別。事例づくりにご協力いただける先着5社は、2年契約で初期費用0円です。

参考にした資料

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