提携
財務コンサルとの、
提携のしかた。
業界の現場を知る社長と、お金の流れを読む財務コンサル。2人で組むと、同業の社長に「現場と数字の両方」を届けられます。この記事では、組む相手の選び方から、報酬の分け方、契約で決める項目、資格が要る業務との線引きまでを順に整理します。
この記事は、コンサル開業支援を提供する株式会社GSホールディングスが書いています。構成と下書きにAIを使い、公開前に数字と制度を出典の一次資料と照合しています。法令の個別の判断は専門家にご確認ください(編集方針)。
最初に結論
財務コンサルとの提携は、①組む理由を言葉にする → ②相手を選ぶ → ③役割を表で分ける → ④報酬の分け方を決める → ⑤覚書か業務提携契約で書面にする → ⑥資格が要る業務を線引きする → ⑦顧問先に説明するの順で進めます。報酬は「どちらか一方がまとめて請求して分ける方式」と「それぞれが請求する方式」の2つが基本です。税務の申告や個別の税務相談は税理士、法律事務は弁護士の業務なので、提携の範囲から外しておきます。
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なぜ財務コンサルと組むのか
財務コンサルと組む理由は、顧問先の社長が抱える悩みの多くが「現場の課題」と「お金の課題」の両方にまたがっているからです。財務コンサルとは、資金繰り・利益の管理・金融機関との付き合い方など、会社のお金の面を支援する専門家のことです。
たとえば「人を採用して店を増やしたい」という相談には、採用や教育のノウハウだけでなく、出店資金や人件費の見通しも欠かせません。業界の経験は社長が、数字と資金の話は財務コンサルが担当すると、顧問先から見て相談の窓口が1つにまとまります。
- 社長側の利点:数字の裏付けがある提案ができ、顧問料に見合う価値を示しやすい
- 財務コンサル側の利点:業界の現場を知る相手と組むことで、その業界の会社に話が通じやすくなる
- 顧問先の利点:現場と数字を別々の人に相談する手間が減る
同業向けコンサルの全体の進め方は業界コンサルの始め方で解説しています。
提携相手の選び方
提携相手は、「中小企業の顧問経験」「あなたの業界への理解」「資格業務との線引きを守る姿勢」の3つで選びます。肩書きや知名度よりも、実際に同じ規模の会社を支援してきたかを重視してください。
最初の打ち合わせでは、次の質問をしてみると相手の進め方が見えてきます。
- これまで支援した会社の規模と業種は(社名を伏せた範囲で)
- 毎月の面談で、どんな資料を使って何を話すか
- 税務の申告や相談が必要になったとき、どう対応しているか
- 1人で同時に見られる顧問先は何社までか
- 他のコンサルと組んだ経験はあるか。そのとき報酬はどう分けたか
3つ目の質問は特に大切です。財務コンサルが税理士でない場合、税金の計算に関する個別の相談には応じられません。その線引きを自分から説明できる相手なら、安心して組めます。相手が税理士の場合も、税理士としての仕事とコンサルの仕事を分けて考えているかを確かめましょう。
もう一つ見ておきたいのが、仕事の進め方の相性です。返信の速さ、資料の細かさ、顧問先への話し方が大きく違うと、顧問先は戸惑います。いきなり長期の契約を結ばず、まず1社を2人で担当してみてから正式に組むと、相性を確かめられます。
役割分担の決め方
役割分担は、顧問先に提供する仕事を一つずつ書き出し、「主に担当する人」を表で決めるのが確実です。あいまいなまま始めると、同じ資料を2人で作ったり、逆に誰も返信しなかったりします。
| 仕事 | 主な担当 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 集客・問い合わせ対応 | 社長 | 誰が最初に返信するか |
| 初回面談・提案 | 2人で | どちらが話を進めるか |
| 現場の改善(採用・教育・営業など) | 社長 | 月の面談回数 |
| 資金繰り表・数字の振り返り | 財務コンサル | 資料を渡す日 |
| 金融機関との面談の準備 | 財務コンサル | 同席するかどうか |
| 日々の質問への返信 | 内容で振り分け | 返信の目安時間 |
| 税務・法律の相談 | 税理士・弁護士へつなぐ | 紹介先と紹介の流れ |
表ができたら、顧問先との連絡窓口を1人に決めます。窓口が1つだと、顧問先は誰に聞けばよいか迷いません。窓口は、集客と面談を担う社長が持つ形が一般的です。
あわせて、2人だけの打ち合わせを月1回入れておきます。顧問先ごとに「今月やったこと」「来月の提案」「気になる数字」を共有すると、面談で話がずれません。顧問先の数が増えてきたら、1人で見られる上限を超えていないかもこの場で確かめます。
報酬の分け方:2つの方式を比べる
報酬の分け方は、「一方がまとめて請求して相手に支払う方式」と「それぞれが顧問先に請求する方式」の2つが基本です。前者は、顧問料を決めた割合で分け合うレベニューシェア(売上を事前に決めた割合で分配する方法)の形になります。
| 比べる点 | A:まとめて請求して分ける | B:それぞれが請求する |
|---|---|---|
| 顧問先の手間 | 契約・請求書が1つで済む | 契約・請求書が2つになる |
| サービスの見え方 | 1つの顧問サービスに見える | 2つのサービスの組み合わせに見える |
| お金の流れ | 請求した側が相手に支払う | それぞれが直接受け取る |
| 未払いが出たとき | 請求した側が回収を担う | それぞれが回収する |
| 責任の範囲 | 請求した側に集まりやすい | 担当ごとに分かれる |
| 向いている場面 | 窓口を1つにしたいとき | 担当範囲がはっきり分かれるとき |
A方式の分け方は、「定額」と「割合」から選びます。計算の例として、月の顧問料が20万円(税別)で6対4に分けるなら、12万円と8万円です(割合は仮の数字です)。割合は、面談の回数や資料づくりの量など、実際の作業量を表にして話し合うと決めやすくなります。
A方式で、社長の会社が個人で活動する財務コンサル(従業員のいない事業者)に仕事を頼む場合は、フリーランス法(フリーランスとの取引のルールを定めた法律、2024年11月1日施行)の対象になることがあります。仕事を頼んだら、報酬の額や支払期日などを書面かメールで直ちに示し、支払期日は役務の提供を受けた日から60日以内のできる限り短い期間で決める必要があります。該当するかどうかは、公正取引委員会の案内や専門家で確認してください。
顧問料そのものの決め方は顧問料の決め方と相場にまとめています。
提携の覚書・業務提携契約書で決める項目
提携の条件は、口約束にせず、覚書か業務提携契約書で書面にします。覚書とは、合意した内容を簡単にまとめた書面のことで、まず覚書で始めて、形が固まってから正式な契約書にする進め方もあります。
少なくとも次の項目を決めておきましょう。
- 目的と提供するサービスの内容:誰に、何を提供する提携か
- 役割分担:前の章の表をそのまま添付する
- 報酬:方式、分け方、請求する人、支払日、振込手数料の負担
- 顧問先の情報の扱い:秘密保持、顧問先の数字や個人情報の共有の範囲
- 顧問先の帰属:提携が終わったとき、顧問先との契約をどちらが引き継ぐか
- 競業の扱い:同じ業界で他の人と組んでよいか
- 契約期間と更新、途中解約:何か月前に申し出るか
- トラブル時の責任:顧問先から苦情が来たときの対応と費用の負担
- 資格業務の除外:税務・法律の業務は提携の範囲に含めないこと
5番目の「顧問先の帰属」は、後でもめやすい項目です。集客の費用をかけた側、窓口を持つ側のどちらが引き継ぐかを、始める前に決めておきます。
紙の契約書は、内容によっては印紙税がかかります。たとえば国税庁の説明では、継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)は1通4,000円です。一方で、PDFを電子メールで送るだけで紙の原本を渡さない場合は課税文書の作成に当たらない、とした国税局の回答事例もあります。自分の契約書が該当するかは、税務署か税理士に確認してください。契約書の作り方は顧問契約の結び方も参考になります。
資格が必要な業務との線引き
税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士の業務であり、法律事務は弁護士の業務なので、提携のサービスには含めません。国税庁は、税理士でない者がこれらを業として行うことを、有償か無償かを問わず原則として禁止していると説明しています。
具体的には、次のように分けると分かりやすくなります。
- 提携で扱ってよい例:資金繰り表の作成支援、利益計画づくり、数字の見方の説明、金融機関との面談の準備、現場の改善提案
- 税理士につなぐ例:申告書の作成や提出の代理、「この支出は経費になるか」「税金はいくらになるか」といった個別の税額計算の相談
- 弁護士につなぐ例:契約トラブルの交渉、労務紛争への対応、法的な判断を伴う契約書のチェック
提携相手が税理士の場合は、税務の仕事を税理士自身の名前で顧問先と直接契約する形が分かりやすくなります。税理士の報酬を社長側と分けたり、紹介料をやり取りしたりすることは、税理士側の規程などで制限される場合があります。具体的な形は、提携相手の税理士本人とよく確認してください。
迷ったときは「税金の額や法律の判断に関わるなら専門家へ」と決めておき、紹介できる税理士・弁護士を事前に用意しておくと安心です。
顧問先への説明と最初の3社の進め方
顧問先には、「誰が、何を担当し、誰に請求されるか」を初回面談で1枚の紙にして説明します。2人で支援する形は、説明がないと「どちらに相談すればよいか分からない」と受け取られがちです。
説明の紙には、次の4つを入れます。
- 2人のプロフィールと、それぞれの担当範囲
- 連絡窓口と、返信の目安
- 顧問料と請求のしかた(A方式かB方式か)
- 税務・法律の相談は、税理士・弁護士を紹介すること
最初の3社は、面談のたびに「どちらが何を話したか」「顧問先から何を聞かれたか」を記録します。3社が終わったら2人で振り返り、役割分担と報酬の割合を見直します。最初から完璧な分け方を決めるより、実際の作業量を見て調整するほうが、長く組める関係になります。
ここまでを自分たちで進めることもできますし、相手探しや集客の仕組みづくりから任せる方法もあります。当社のコンサル開業支援では、業界のコンサルと組んでこの形をすでに実践している財務コンサルを当社から紹介します(社長が組む相手を連れてきても構いません)。無料相談は30分・オンラインで、担当者が対応します。まずは10問の準備度診断で、今の準備状況を確かめてみてください。
よくある質問
財務コンサルと業務提携するとき、報酬はどう分けるのが一般的ですか?
一方がまとめて顧問先に請求して決めた割合や定額で相手に支払う方式と、それぞれが担当分を顧問先に請求する方式の2つが基本です。窓口を1つにしたいならまとめて請求する方式、担当範囲がはっきり分かれているならそれぞれ請求する方式が向いています。割合は作業量を表にして話し合うと決めやすくなります。
業務提携契約書には、最低限どんな項目を入れればよいですか?
目的とサービス内容、役割分担、報酬の方式と支払日、秘密保持と顧問先の情報の扱い、提携終了時の顧問先の帰属、競業の扱い、契約期間と途中解約、トラブル時の責任、税務・法律業務を含めないことの9項目が目安です。内容の確認は弁護士に相談してください。
税理士ではない財務コンサルに税金の相談をしてもよいですか?
税金の計算に関する個別の相談や申告書の作成は税理士の業務で、国税庁は税理士でない者がこれを業として行うことを有償・無償を問わず原則として禁止していると説明しています。資金繰りや利益計画の支援は財務コンサルに、税額に関わる相談は税理士に、と分けてください。
税理士とコンサルが提携するときの注意点は何ですか?
税務の仕事は税理士自身の名前で顧問先と直接契約し、コンサルの仕事とは分けておくと分かりやすくなります。税理士の報酬を分け合うことや紹介料のやり取りは、税理士側の規程などで制限される場合があるため、提携相手の税理士本人に確認してください。
提携の契約書に収入印紙は必要ですか?
紙の契約書は内容によって印紙税がかかることがあり、国税庁の説明では継続的取引の基本となる契約書は1通4,000円です。PDFを電子メールで送るだけで紙を渡さない場合は課税されないとした国税局の回答事例もあります。個別の判断は税務署か税理士に確認してください。
財務コンサルの知り合いがいなくても提携できますか?
できます。同じ規模の会社の顧問経験があり、資格業務との線引きを守れる人を探します。当社のコンサル開業支援では、業界のコンサルと組んでこの形を実践している財務コンサルを紹介しています。社長が自分で相手を連れてきても構いません。
NEXT STEP
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