手続き

本業の会社で、
コンサルを始める手続き。

同業の社長から相談が増え、顧問として受けたい。新しく会社を作らず、今の会社で始める社長は少なくありません。そのとき最初に確かめたいのが、定款の「事業目的」です。追加の手順と期限、費用を一次資料で確認します。

執筆:長尾孝太郎(株式会社GSホールディングス 代表) / 最終更新: / 8分で読めます

この記事は、コンサル開業支援を提供する株式会社GSホールディングスが書いています。構成と下書きにAIを使い、公開前に数字と制度を出典の一次資料と照合しています。法令の個別の判断は専門家にご確認ください(編集方針)。

資料にペンで書き込みながら説明する手元(イメージ)
写真はイメージです(AIで作成した架空の場面で、実在の人物・顧客ではありません)

最初に結論

今の会社でコンサル事業を始めるなら、まず定款と登記簿の事業目的に、経営コンサルティングに当たる文言があるかを見ます。無ければ、株式会社は株主総会の特別決議で定款を変え、変更の効力が生じた日(通常は決議の日)から2週間以内に本店所在地の法務局で変更登記をします。登録免許税は法務局の記載例で3万円です。あわせて税務署へ異動届出書を出します。手続きの全体と、事業の始め方は開業の手続きとあわせて確認してください。

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最初に、今の事業目的を確かめる

会社の事業目的は、定款に書かれ、登記簿にも載っています。会社法第911条第3項は、株式会社の登記事項の第1号に「目的」を挙げています。まずは手元の定款と、法務局で取れる登記事項証明書の両方を見比べてください。

見るポイントは、コンサル事業に当たる文言があるかどうかです。たとえば「経営に関するコンサルティング業務」「前各号に附帯関連する一切の事業」といった書き方です。附帯関連の一文だけで足りるかは、事業の中身によって判断が分かれます。迷う場合は、司法書士に確認すると安心です。

目的に書いていない事業を続けると、金融機関や取引先から説明を求められる場面があります。顧問契約を会社名で結ぶなら、目的に明記しておくほうが話が早く進みます。銀行口座や融資の相談でも、登記簿の目的は見られます。

事業目的を確かめる3つの場所
確認する場所見る内容取り寄せ方
定款第2条などの「目的」の条文会社で保管している原本や写し
登記事項証明書「目的」の欄法務局の窓口・郵送・オンライン
議事録の控え過去に目的を変えた記録会社で保管

追加する文言を決めるときの考え方

事業目的は、第三者が読んで何をする会社か分かる書き方が基本です。本業の業界名を入れると、同業の社長を支援する事業だと伝わりやすくなります。下は書き方の方向性の例で、そのまま登記できると約束するものではありません。

  • 経営に関するコンサルティング業務
  • 美容室・理容室の経営に関する助言及び指導
  • セミナー・研修の企画、運営及び講師業務
  • インターネットを利用した情報提供サービス

研修やセミナー、オンラインでの情報発信も行う予定があれば、この機会にまとめて加えておくと、変更登記を何度もせずに済みます。表現が登記できるかは、事前に管轄の法務局や司法書士に確認してください。

株式会社は株主総会の特別決議で変える

会社法第466条は、株式会社は成立後、株主総会の決議で定款を変更できると定めています。この決議は、第309条第2項第11号により特別決議になります。普通の決議より、賛成の基準が高い決議です。

特別決議の基準は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上が賛成することです。定足数は定款で3分の1以上まで下げられ、賛成の割合は定款で引き上げられます。自分の会社の定款に別の定めがないかも見ておきましょう。

社長が株式の大半を持つ会社なら、決議そのものは難しくありません。ただし、議事録は登記の添付書類になります。日付、出席した株主の議決権、議案、結果を正しく残すことが大切です。

会社の種類ごとの決め方
会社の種類定款を変える方法根拠
株式会社株主総会の特別決議会社法第466条・第309条第2項第11号
合同会社などの持分会社総社員の同意(定款に別段の定めがある場合を除く)会社法第637条

合同会社の場合は、定款に別の定めがなければ、総社員の同意で定款を変えます。法務局の記載例でも、添付書類は「総社員の同意書」になっています。

変更から2週間以内に変更登記をする

会社法第915条第1項は、登記事項に変更が生じたときは、2週間以内に本店の所在地で変更の登記をすると定めています。事業目的は登記事項なので、定款を変えたら登記が必要です。

期限を過ぎた場合について、会社法第976条第1号は、登記を怠ったときに取締役などを100万円以下の過料に処すると定めています。実際にどう扱われるかは個別の事情によりますが、期限は守る前提で日程を組みましょう。

  1. 1文言を決める登記所・専門家に確認
  2. 2総会を開く特別決議で定款変更
  3. 3議事録を作る株主リストも用意
  4. 4申請書を出す2週間以内に法務局
  5. 5税務署に届出異動届出書を出す
事業目的を追加する流れ(株式会社)

申請書は法務局のサイトに、目的の変更用の様式と記載例があります。記載例の注意書きには、目的は変更した部分だけでなく、変更後の全ての目的を書くようにとあります。追加する1行だけを書かないよう気をつけてください。

申請先は、本店の所在地を管轄する法務局です。窓口のほか、郵送やオンラインでも申請できます。書類の作り方に不安があれば、司法書士に依頼する方法もあります。

費用と添付書類を確認する

法務局の記載例では、株式会社の目的の変更の登録免許税は3万円です。収入印紙か領収証書で納めます。合同会社で商号と目的を同時に変える記載例でも、登録免許税は3万円と書かれています。

出典:法務局の申請書記載例、会社法第915条第1項
項目株式会社合同会社
登録免許税3万円3万円
主な添付書類株主総会議事録・株主リスト総社員の同意書
代理人が申請する場合委任状委任状
期限変更から2週間以内変更から2週間以内

株主リストは、議決権の割合が高い順に株主を書きます。記載例の説明では、割合の合計が3分の2に達するまでか、上位10名までのうち少ない人数を書きます。証明書は会社の代表者の名前で作ります。

司法書士に頼む場合は、登録免許税とは別に報酬がかかります。金額は事務所ごとに違うため、見積もりを取ってください。社内で作る場合も、提出前に記載例と1行ずつ照らし合わせると、差し戻しを減らせます。

税務署などへの届出も忘れない

国税庁の案内では、事業目的を変えた法人は、異動事項に関する届出書を出します。提出時期は「異動等後速やかに」、提出先は異動前の納税地の所轄税務署長です。添付書類は不要ですが、定款の写しの確認を求められることがあります。

都道府県や市町村への届出が必要かどうかは、自治体ごとに扱いが違います。本店のある自治体の案内を確かめるか、顧問税理士に確認してください。消費税や会計の区分の分け方も、税理士と相談して決めるのが安心です。

  • 法務局:変更登記(変更から2週間以内)
  • 税務署:異動事項に関する届出書(速やかに)
  • 自治体:届出の要否を確認
  • 社内:会計の部門や科目を分けるか税理士と相談

手続きのあとに決めておくこと

登記が終われば、会社としてコンサル事業を始める形が整います。次に決めるのは、誰に、何を、月いくらで提供するかです。顧問料の決め方は顧問料の記事で整理しています。

本業と同じ会社で始めると、本業の信用や口座をそのまま使える良さがあります。一方で、本業とコンサルの売上や経費が混ざりやすくなります。月ごとに分けて数字を見る仕組みを、最初から用意しておきましょう。

当社のコンサル開業パッケージは、ブログ・LP・広告・LINEの集客の仕組みを会社名義で作ります。広告アカウントやLINE、サイトのデータは御社のものとして残ります。料金と契約の条件は料金と条件にまとめています。

なお、登記や税務の手続きそのものは当社の業務ではありません。個別の判断は、司法書士や税理士に確認してください。顧問先にしたい社長の顔が2人以上浮かぶなら、手続きと並行して集客の準備を始める時期かもしれません。

よくある質問

事業目的に「附帯関連する一切の事業」があれば足りますか

事業の中身によって判断が分かれます。コンサルを会社の柱の一つにするなら、明記しておくほうが金融機関や取引先への説明が楽です。足りるかどうかは司法書士に確認してください。

定款を変えたら、いつまでに登記しますか

会社法第915条第1項により、変更が生じてから2週間以内に本店所在地で変更登記をします。期限を過ぎると、会社法第976条により100万円以下の過料の対象になりえます。

費用はいくらかかりますか

法務局の記載例では、目的の変更の登録免許税は3万円です。司法書士に頼む場合は別に報酬がかかり、金額は事務所ごとに違います。

新しく会社を作るのと、どちらがよいですか

本業の信用や口座を使える点、手続きが少ない点は今の会社の良さです。本業と数字を分けたい、別の株主と組みたい場合は別会社も選択肢です。税務面も含め、税理士と相談して決めてください。

NEXT STEP

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参考にした資料

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