業界別(不動産)
不動産の経験で、
コンサルを開業する。
「反響はどうやって増やしたの?」「営業はどう育てているの?」。同業の社長にそう聞かれるなら、その経験は顧問サービスの商品になります。この記事では、不動産会社の社長が同業向けのコンサルを始めるときに決めることを、国土交通省の一次情報とあわせて解説します。
この記事は、コンサル開業支援を提供する株式会社GSホールディングスが書いています。構成と下書きにAIを使い、公開前に数字と制度を出典の一次資料と照合しています。法令の個別の判断は専門家にご確認ください(編集方針)。
最初に結論
不動産の経験でコンサルを開業するなら、①自分が結果を出した分野を決める → ②顧問先にする会社を絞る → ③集客・反響対応・営業・採用・管理戸数のどれかで商品を作る → ④宅建業法に触れる範囲を確認する → ⑤お金の部分は財務コンサルと分担する → ⑥顧問料・面談の型と集客の導線を作るの順に進めます。国土交通省によると、宅地建物取引業者は令和8年3月末で133,727業者と12年連続で増えています。競う相手が多い業界だからこそ、現場で勝ち方を作ってきた社長の経験には相談の価値があります。
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不動産会社の経営経験が求められる理由
不動産会社の経営経験が求められるのは、業者の数が増え続け、同じ地域で選ばれるための工夫がどの会社にも必要になっているからです。
ここでいう宅地建物取引業者とは、土地や建物の売買・交換や、売買・交換・賃貸の仲介などを仕事として行うために免許を受けた会社や個人のことです。国土交通省が令和8年10月に公表した調査では、業界の規模は次のとおりです。
| 項目 | 国土交通省の公表内容 |
|---|---|
| 宅地建物取引業者の数 | 133,727業者(令和8年3月末)。前年度より1,436業者(1.1%)増え、12年連続の増加 |
| 免許の内訳 | 大臣免許3,238業者、知事免許130,489業者 |
| 法人と個人 | 法人121,747、個人11,980。平成18年度末(法人106,012、個人24,635)より法人が増え、個人が減少 |
| 宅地建物取引士の登録者 | 約124万人(1,243,738人)。令和7年度の新規登録は34,714人 |
出典:国土交通省「令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」と同参考資料。
知事免許とは、事務所が1つの都道府県の中だけにある会社が受ける免許です。業者の大半がこの知事免許で、地域に根ざした会社が多いことが分かります。
業者が増えるほど、同じ物件・同じお客様を複数の会社で取り合う場面も増えます。そこで差がつくのは、反響(広告やポータルサイトからの問い合わせ)を集める力、反響を来店や契約につなげる営業の型、人を採って育てる仕組みです。どれも本には書かれにくく、社長が試行錯誤して身につけてきたものです。
中小の不動産会社の社長は、社内に同じ立場で相談できる相手が少なくなりがちです。自社で実際に数字を動かしてきたやり方は、同業の社長にとって「すぐ試せる答え」になります。
顧問先になる不動産会社はどんな会社か
顧問先にしやすいのは、あなたが数年前に通ってきた段階の不動産会社です。悩みが具体的に分かり、最初の面談から話が通じるからです。
たとえば、次のような会社が考えられます。
- ポータルサイトの掲載費は増えているのに、反響が増えない
- 反響はあるが、来店や内見につながる割合が低い
- 社長が一番の営業マンで、社員が育たず売上が社長頼み
- 採用してもすぐ辞めてしまい、教える仕組みがない
- 仲介だけでは売上が安定せず、賃貸管理を伸ばしたい
- 売買仲介の売却の相談(売主からの依頼)を増やしたい
対象は「不動産会社の社長全員」ではなく、「(地域・業態・規模)の不動産会社で、(悩み)を抱える社長」と1文で言える形に絞ります。業態とは、売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理といった事業の種類のことです。たとえば「地方都市で、社員5名以下の賃貸仲介会社の、管理戸数を増やしたい社長」のようにです。
注意したいのは、同じ商圏の競合会社です。自社と商圏が重なる会社を顧問先にすると、お互いに本音で話しにくくなります。商圏が重ならない地域やオンラインでの顧問を中心にするなど、始める前に方針を決めておきましょう。絞り方の考え方は同業向けコンサルの始め方でも解説しています。
商品の作り方:集客・反響対応・営業・採用・管理戸数
商品は、あなたが数字で結果を示せるテーマを1つ選び、期間ごとの手順にしたものです。最初から全部を扱うより、得意な1つで始めるほうが伝わります。
| テーマ | 顧問で扱う内容の例 | 棚卸ししておく自分の経験 |
|---|---|---|
| 集客 | ポータルサイトと自社サイトの使い分け、物件写真と紹介文の型、SNSや地域の発信 | 反響数と1件あたりの広告費がどう変わったか |
| 反響対応 | 問い合わせへの返信の速さと文面、電話の台本、来店・内見につなげる流れ | 反響から来店・内見に進んだ割合の変化 |
| 営業の型 | ヒアリングの項目、物件提案の順番、申込みまでの追客の手順 | 社員ごとの成約数の差がどう縮まったか |
| 採用・育成 | 求人の出し方、入社後3か月の教育表、評価と歩合の決め方 | 採用人数と定着の変化、教育で使った資料 |
| 管理戸数の伸ばし方 | オーナーへの提案の仕方、管理の品質と報告の型、解約を防ぐ工夫 | 管理戸数の推移と、増えたきっかけ |
たとえば「反響対応」を選んだ場合、商品は次のように組み立てられます。
- 最初の1か月:直近の反響の記録を一緒に見て、どこで止まっているかを整理する
- 2〜3か月目:返信の文面、電話の台本、来店予約までの流れを一緒に作る
- 4か月目以降:社員ごとの数字を毎月振り返り、台本を直していく
このように期間ごとに何をするかを決めておくと、顧問先は「何にお金を払うのか」が分かり、契約を判断しやすくなります。
賃貸管理を扱う場合は、管理のルールも知っておきます。国土交通省の賃貸住宅管理業法ポータルサイトによると、管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理業者は国土交通大臣への登録が必要です。営業所ごとの業務管理者の配置、家賃などの分別管理、オーナーへの年1回以上の定期報告なども義務とされています。管理戸数を伸ばす支援では、顧問先が200戸に近づいたときの準備まで見ておくと親切です。
宅建業法との関係で注意すること
同業の経営を支援する顧問コンサルを始めるときは、自分が取引そのものに関わる行為をしないこと、自社の仲介業務と顧問業務をはっきり分けることに注意します。
国土交通省によると、宅地建物取引業とは次の行為を業として(社会通念上、事業とみられる程度に反復して)行うことで、営むには国土交通大臣か都道府県知事の免許が必要です。
- 宅地・建物の売買
- 宅地・建物の交換
- 宅地・建物の売買・交換・貸借の代理
- 宅地・建物の売買・交換・貸借の媒介(仲介)
集客や営業の型を教える顧問は、この4つの行為そのものではありません。ただし、顧問先に物件や買主・借主を紹介して報酬を受け取るなど、取引の仲介に関わる形になると、免許の要否や報酬の制限が問題になり得ます。顧問の範囲は「経営と仕組みづくりの支援」と決め、取引への関与は契約書で外しておくと安心です。
あなたの不動産会社が、仲介のお客様に別途コンサルティング料を受け取る場合にも決まりがあります。国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」では、宅地建物取引業者が仲介以外の関連業務(いわゆる不動産コンサルティング業務を含む)を行う場合、あらかじめ内容を説明して理解を得たうえで、媒介契約とは別に、業務内容や報酬額を明らかにした書面等で契約することとされています。成果物がある場合は書面で交付することも求められています。
なお、不動産コンサルティングの資格として、公益財団法人不動産流通推進センターの「公認 不動産コンサルティングマスター」があります。受験できるのは宅地建物取引士・不動産鑑定士・一級建築士の登録者です。経営の顧問に必須ではありませんが、信頼の材料の一つになります。
ここに書いたのは、一次情報で確認できた範囲の一般的な説明です。自分の顧問の内容が宅建業法に触れないか、報酬の受け取り方に問題がないかといった個別の判断は、弁護士や監督官庁の窓口など専門家に確認してください。
資金繰り・融資・出店は財務コンサルと分担する
資金繰り・融資・出店といったお金の部分は、財務コンサルと分担するのがおすすめです。現場の判断は社長が、数字の判断は財務の専門家が見る形にすると、顧問先の安心感が増します。
不動産会社の相談では、営業の話とお金の話がつながっていることがよくあります。
- 2店舗目を出したいが、出店費用と人件費を回収できるか分からない
- 広告費を増やしたいが、手元の資金がどこまでもつか不安
- 仲介の売上は月ごとの波が大きく、資金繰りが読みにくい
- 賃貸管理を伸ばして売上を安定させたいが、そのための採用費が重い
「この立地で反響はどのくらい取れるか」「営業1人で月に何件決められるか」は、社長の経験が生きる部分です。「その計画で融資の返済や資金繰りが回るか」は、財務コンサルの得意な部分です。2人で見ることで、提案の幅が広がります。
役割分担は、始める前に書面で決めておきます。担当範囲、顧問料の分け方、誰が請求するか、顧問先への説明のしかたの4つが最低限です。組む相手の探し方や契約の決め方は財務コンサルとの提携方法で解説しています。税務申告や契約書の作成など資格が必要な業務は扱わず、税理士・弁護士などにつないでください。
顧問料・面談の型と、顧問先を集める導線
顧問料は面談の回数・面談以外の連絡・毎月渡す資料・契約期間の4つを決めてから考え、顧問先は記事や広告→無料診断→LINE→面談の流れで集めます。
不動産会社の顧問なら、たとえば次のような形が考えられます。
- 月1〜2回のオンライン面談(反響数・来店率・成約数・広告費を一緒に見る)
- 面談の間はLINEなどで相談を受け、返信の目安を決めておく
- 毎月、数字の振り返り表と次の1か月の取り組みを渡す
- 最初の契約期間は、成果が見えやすい半年〜1年を目安に決める
面談は「現状を聞く → 数字を一緒に見る → 前回の取り組みを振り返る → 次の1か月の取り組みを決める」の順で毎回そろえると、顧問先が増えても質が落ちにくくなります。顧問料の考え方はコンサルの顧問料の決め方と相場に、開業の手続きはコンサル事業の立ち上げ方にまとめています。
顧問先を集める導線は、次の4段階です。
- 記事・広告:「不動産 反響 増やし方」「賃貸管理 戸数 増やす」など、社長が検索する悩みに答える記事を書き、必要に応じて広告で届けます。
- 無料診断:集客・営業・採用・数字の管理を10問ほどで確かめ、課題を見える化します。
- LINE:診断結果と、課題に合った情報を届けます。すぐ相談しない人ともつながり続けられます。
- 面談:診断結果を一緒に見て、最初の3か月の取り組みを提案します。その場で契約を迫らないことが信頼につながります。
集客方法ごとの向き不向きはコンサルの集客方法の比較で解説しています。自分の準備がどこまで進んでいるかは、10問の準備度診断で確かめられます。
ここまでは自分で進められます。一方で「記事・LP・無料診断・LINE・面談予約・広告運用まで、集客の仕組みはまとめて任せたい」という方向けに、当社(株式会社GSホールディングス)では、財務コンサルとの立ち上げ支援と集客システムの構築・運営をセットにしたサービスを月30万円〜(税別、広告費は別)でご用意しています。30分のオンライン無料相談は担当者が対応し、その場で契約を求めることはありません。
よくある質問
不動産会社を経営しながらコンサルを始められますか?
始められます。ただし、面談と顧問先への対応に使う時間を月単位で確保する必要があります。店長や営業責任者に現場を任せられる体制があると進めやすくなります。
不動産コンサルタントになるには資格が必要ですか?
経営の顧問をするのに必須の資格はありません。不動産コンサルティングの資格としては、宅地建物取引士などの登録者が受験できる公認 不動産コンサルティングマスターがあります。取引の仲介に関わる場合は宅建業の免許が問題になり得るため、個別の判断は専門家に確認してください。
不動産の集客ノウハウを同業に売ってもよいですか?
集客や営業の型を教える顧問は、売買や仲介そのものではありません。ただし、顧問先に物件やお客様を紹介して報酬を受け取る形になると宅建業法の問題になり得ます。顧問の範囲を契約書で決め、個別の判断は弁護士などに確認してください。
不動産会社の顧問料は月額いくらにすればよいですか?
面談の回数、面談以外の連絡、毎月渡す資料、契約期間の4つを決めてから考えると決めやすくなります。考え方はコンサルの顧問料の相場と決め方の記事で解説しています。
賃貸管理の経営コンサルでは何を扱えますか?
オーナーへの提案の仕方、管理の品質と報告の型、解約を防ぐ工夫、管理を担う社員の育成などが考えられます。管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者には国土交通大臣への登録が必要なため、その準備も支援のテーマになります。
近くの不動産会社を顧問先にしてもよいですか?
商圏が重なる会社を顧問先にすると、お互いに本音で話しにくくなることがあります。商圏が重ならない地域やオンラインでの顧問を中心にするなど、始める前に方針を決めておくと安心です。
NEXT STEP
業界の経験に、財務の目を。信頼されるコンサル事業を、2人で始める。
現場は社長、数字は財務コンサル。2店舗目や資金繰りまで相談に乗れる顧問サービスにして、顧問先を集める仕組みと立ち上げの助言は当社が担当します。月30万円〜(税別)・広告費は別。事例づくりにご協力いただける先着3社は、2年契約で初期費用0円です。