業界別(飲食)

飲食店オーナーが、
コンサルを始めるには。

「原価、どうやって抑えているの?」「人はどうやって辞めずに残っているの?」。同業のオーナーにそう聞かれるなら、その経験は顧問サービスの商品になります。この記事では、飲食店オーナーが自分でコンサルを始めるときに決めることを、公的な統計とあわせて解説します。

執筆:長尾孝太郎(株式会社GSホールディングス 代表) / 最終更新: / 10分で読めます

この記事は、コンサル開業支援を提供する株式会社GSホールディングスが書いています。構成と下書きにAIを使い、公開前に数字と制度を出典の一次資料と照合しています。法令の個別の判断は専門家にご確認ください(編集方針)。

最初に結論

飲食店オーナーがコンサルを始めるなら、①自分が乗り越えた業界の課題を決める → ②顧問先にする店を絞る → ③集客・FLコスト・採用定着・多店舗展開のどれかで商品を作る → ④出店・融資・資金繰りは財務コンサルと分担する → ⑤顧問料と面談の型を決める → ⑥記事・広告から面談までの導線を作るの順に進めます。厚生労働省の振興指針では、一般飲食業の95.5%が「原材料費・諸経費の増加」を経営課題に挙げています。数字と人の問題を現場で解いてきたオーナーの経験は、同業にとって相談する価値があります。

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飲食店オーナーの経験が求められる理由(一次情報)

飲食店オーナーの経験が求められるのは、原価の上昇・客数の減少・人の確保という同じ課題を、多くの店が同時に抱えているからです。公的な資料でも、その状況がはっきり示されています。

厚生労働省の「飲食店営業(一般飲食業、中華料理業、料理業及び社交業)及び喫茶店営業の振興指針」(令和7年3月 厚生労働大臣決定)と、同省の雇用統計から、主な数字をまとめました。振興指針とは、国が業種ごとに経営の課題と取り組みの方向を示した文書です。

項目公的資料に書かれている内容
店の規模一般飲食業で従業者5人未満の事業者が61.4%(令和4年4〜6月調査)
経営者の年齢と後継者60歳以上が55.1%。後継者「なし」が71.6%
経営上の課題原材料費・諸経費の増加95.5%、客数の減少92.9%、客単価の減少76.6%(複数回答)
価格転嫁飲食業全体で「仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難」が62.0%(日本公庫調査 令和4年7〜9月期)
人の出入り宿泊業,飲食サービス業の離職率25.1%・入職率28.4%で、ともに全産業で最も高い(産業計は14.2%・14.8%、令和6年)
人件費令和7年度の最低賃金は全国加重平均1,121円。前年度から66円の引上げ

出典:厚生労働省「飲食店営業(一般飲食業…)及び喫茶店営業の振興指針」「令和6年雇用動向調査結果の概況」「令和7年度最低賃金額答申」。振興指針内の数値は、全国生活衛生営業指導センターや日本政策金融公庫の調査からの引用です。

つまり、食材費も人件費も上がるのに、値上げはしにくい。人は入っても辞めやすい。小さな店ほど、この両方に一人で向き合っています。指針も、人材の確保、作業手順の標準化などによる生産性の向上、価格設定の見直し、事業承継を課題として挙げています。

このうち自分の店で実際に乗り越えた課題が、あなたのコンサルの中心になります。原価管理で利益を残してきた、アルバイトが定着する仕組みを作った、2店舗目・3店舗目を軌道に乗せた。こうした経験は、教科書にはない「現場で効いたやり方」として求められます。

顧問先になる飲食店はどんな店か

顧問先にしやすいのは、あなたが数年前に通ってきた段階の店です。悩みが具体的に分かり、言葉がすぐ通じるからです。

たとえば、次のような店が考えられます。

  • 売上はあるのに、月末に手元のお金が残らない
  • 食材の値上がりが続き、メニュー価格をどう見直すか迷っている
  • アルバイトが数か月で辞め、求人広告費と教育の手間ばかりかかる
  • オーナーが厨房に立ち続けていて、経営の時間が取れない
  • 1店舗目が安定し、2店舗目を出すかどうか判断がつかない

業態でも絞れます。居酒屋、カフェ、ラーメン店、焼肉店では、原価の構造も人の回し方も違います。自分が経営してきた業態に近い店を選ぶと、助言の精度が上がります。

対象は「飲食店のオーナー全員」ではなく、「(地域・業態・店舗数)の飲食店で、(悩み)を抱えるオーナー」と1文で言える形に絞りましょう。絞り方の考え方は同業向けコンサルの始め方でも解説しています。

商品の作り方:集客/FLコスト・原価管理/採用・定着/多店舗展開

商品は、あなたが数字で結果を示せるテーマを1つ選び、期間ごとの手順に落として作ります。最初から全部を扱うより、得意な1つで始めるほうが伝わります。

ここでいうFLコストとは、食材費(Food)と人件費(Labor)を合わせた費用のことです。飲食店の利益を左右する二大経費として、多くのオーナーが日々見ている数字です。

テーマ顧問で扱う内容の例棚卸ししておく自分の経験
集客・リピート新規客の集め方、再来店の仕組み、口コミ・SNS・予約サイトの使い分け客数・再来率がどう変わったか、何を変えたか
FLコスト・原価管理メニューごとの原価計算、値付けの見直し、仕入れと在庫の管理、シフトの組み方原価率・人件費率の推移、使っていた管理表
採用・定着求人の出し方、入店後の教育手順、評価とシフトの決め方、辞めにくい職場づくり採用人数・定着の変化、教育マニュアル
多店舗展開出店の判断基準、立地の見方、店長の育て方、店ごとの数字の見える化出店時に見た数字、うまくいかなかった判断

たとえば「FLコスト・原価管理」を選んだ場合、商品は次のように組み立てられます。

  • 最初の1か月:直近の売上・仕入れ・人件費を集め、メニュー別の原価と時間帯別の人員を整理する
  • 2〜3か月目:原価の高いメニューの見直し、価格改定の案、シフト表の組み直しを一緒に進める
  • 4か月目以降:毎月の数字を同じ表で振り返り、次の1か月の打ち手を決める

このように期間ごとに何をするかを決めておくと、顧問先は「何にお金を払うのか」が分かり、契約を判断しやすくなります。手順・チェック表・振り返りシートの形にしたものは、そのまま「経営ノウハウを売る」ための商品になります。

注意したいのは、資格が必要な領域との線引きです。食品衛生や営業許可の判断は保健所、雇用契約や社会保険などの労務は社会保険労務士、税務は税理士に確認してもらう形にしましょう。

出店・融資・資金繰りは財務コンサルと分担する

出店・融資・資金繰りといったお金の部分は、財務コンサルと分担するのがおすすめです。店の現場はオーナーが、数字の裏付けとお金の調達は財務の専門家が見る形にすると、顧問先の安心感が増します。

飲食店の出店では、物件取得、内外装や厨房設備の工事、開業後しばらくの運転資金と、大きなお金の判断が続きます。運転資金とは、仕入れや人件費、家賃など、店を回すために手元に置いておくお金のことです。分担のイメージは次のとおりです。

  • オーナーが見る部分:この立地・席数・業態で客数と客単価はどのくらい見込めるか。厨房の動線や人員配置は回るか
  • 財務コンサルが見る部分:その売上見込みで借入の返済が回るか。運転資金はいくら残すべきか。融資の相談や資金繰り表をどう作るか

「売上は見込めるのに、お金が続かない」という事態は避けたいものです。現場の見立てと資金の見立てを2人で突き合わせると、顧問先に提案できる幅が広がります。組み方や報酬の分け方は財務コンサルとの提携方法で詳しく解説しています。

役割分担は、始める前に書面で決めておきます。担当範囲、顧問料の分け方、誰が請求するか、顧問先への説明のしかたの4つが最低限です。税務申告や契約書の作成など、資格が必要な業務は扱わず、税理士・弁護士などの専門家につないでください。

顧問料と面談の型を決める

顧問料は、月の面談回数・面談以外の連絡・毎月渡す資料・契約期間の4つを決めてから考えると決めやすくなります。何をどれだけ提供するかが決まれば、月額の根拠を説明できるからです。

飲食店の顧問なら、たとえば次のような形が考えられます。

  • 月1〜2回のオンライン面談(売上・客数・客単価・FLコストを一緒に見る)
  • 面談の間はLINEで相談を受け、返信の目安を決めておく
  • 毎月、数字の振り返り表と次の1か月で取り組むことを渡す
  • 最初の契約期間は、原価や定着の変化が見えやすい半年〜1年を目安にする

面談は「前回の取り組みを振り返る → 今月の数字を一緒に見る → 困っていることを聞く → 次の1か月の取り組みを決める」の順で毎回そろえます。型があると、顧問先が増えても質が落ちにくくなります。相場の考え方はコンサルの顧問料の決め方と相場に、契約書に入れておく項目は顧問契約の結び方にまとめています。

契約前には、顧問でやること・やらないことを書面で示しておきます。たとえば「厨房での調理指導はしない」「求人広告の出稿作業は店側で行う」など、範囲をはっきりさせると、あとで食い違いが起きにくくなります。契約書の内容は、必要に応じて弁護士に確認してもらいましょう。

顧問先を集める導線:記事・広告→無料診断→LINE→面談

顧問先は、記事や広告で見つけてもらい、無料診断で課題を整理し、LINEでつながってから面談に進む流れで集めます。紹介だけに頼らず、知らないオーナーからも相談が来る形を作るためです。

  1. 記事・広告:「飲食店 原価率 下げ方」「アルバイト すぐ辞める 飲食」「2店舗目 タイミング」など、オーナーが検索する悩みに答える記事を書き、必要に応じて広告で届けます。
  2. 無料診断:集客・原価・人件費・採用などを10問ほどで確かめ、課題を見える化します。
  3. LINE:診断結果と、課題に合った情報を届けます。すぐに相談しない人ともつながり続けられます。
  4. 面談:診断結果を一緒に見て、最初の3か月で取り組むことを提案します。その場で契約を迫らないことが信頼につながります。

記事のテーマは、同業のオーナーによく聞かれる質問から選ぶのが近道です。聞かれたこと、自分が過去に悩んだことを10個書き出すと、そのまま記事の候補になります。集客方法ごとの向き不向きはコンサルの集客方法の比較で解説しています。今どこまで準備できているかは、10問の準備度診断で確かめられます。

ここまでは自分で進められます。一方で「記事・LP・無料診断・LINE・面談予約・広告運用まで、集客の仕組みはまとめて任せたい」という方向けに、当社(株式会社GSホールディングス)では、財務コンサルとの立ち上げ支援と集客システムの構築・運営をセットにしたサービスを月30万円〜(税別、広告費は別)でご用意しています。30分のオンライン無料相談は担当者が対応し、その場で契約を求めることはありません。

よくある質問

飲食店を経営しながらコンサルを始められますか?

始められます。ただし、面談と顧問先への対応に使う時間を月単位で確保する必要があります。店長に現場を任せられる体制があると進めやすくなります。

飲食店コンサルタントになるには資格が必要ですか?

経営コンサルに必須の資格はありません。ただし、食品衛生や営業許可の判断は保健所、労務は社会保険労務士、税務は税理士、法律は弁護士に確認してもらう形にしてください。

多店舗展開の経験がなくても飲食店のコンサルはできますか?

できます。1店舗でも、原価管理・採用と定着・集客などで数字の結果を出していれば、それがテーマになります。自分が結果を示せる分野に絞って始めるのが基本です。

飲食店の顧問料は月額いくらにすればよいですか?

月の面談回数・面談以外の連絡・毎月渡す資料・契約期間を先に決め、提供する内容から月額を考えるのが基本です。相場の考え方は顧問料の解説記事で詳しく紹介しています。

近くの競合店を顧問先にしてもよいですか?

商圏が重なる店を顧問先にすると、お互いに話しにくくなることがあります。商圏が重ならない地域やオンラインでの顧問を中心にするなど、始める前に方針を決めておくと安心です。

出店や融資の相談まで受けてよいですか?

立地や客数の見込みなど現場の判断はオーナーの経験が生きる部分です。融資や資金繰りの判断は財務コンサルと分担し、税務や法律の個別判断は税理士・弁護士に確認してもらう形が安心です。

NEXT STEP

業界の経験に、財務の目を。信頼されるコンサル事業を、2人で始める。

現場は社長、数字は財務コンサル。2店舗目や資金繰りまで相談に乗れる顧問サービスにして、顧問先を集める仕組みと立ち上げの助言は当社が担当します。月30万円〜(税別)・広告費は別。事例づくりにご協力いただける先着3社は、2年契約で初期費用0円です。

参考にした資料

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