業界別(美容室)

美容室向けコンサルの、
商品と顧問料の決め方。

同業のオーナーから「値上げはどう伝えたの?」「店長はどう育てたの?」と聞かれる。その経験は、月額の顧問サービスになります。この記事では、美容室を経営してきたオーナーが顧問の中身と料金を決める手順を、厚生労働省などの一次情報とあわせて解説します。

執筆:長尾孝太郎(株式会社GSホールディングス 代表) / 最終更新: / 10分で読めます

この記事は、コンサル開業支援を提供する株式会社GSホールディングスが書いています。構成と下書きにAIを使い、公開前に数字と制度を出典の一次資料と照合しています。法令の個別の判断は専門家にご確認ください(編集方針)。

最初に結論

美容室向けコンサルは、自分の店で数字の変化を示せるテーマを1つ選び、期間ごとの進め方を決めてから、面談回数・随時相談・契約期間で顧問料を決めるのが近道です。美容室向けの顧問料に公的な相場はなく、公開されている料金も内容と単位がばらばらです。決めた料金は、顧問先の客単価や店の規模に照らして負担感を確かめます。労務の書類や税務、施術の責任は顧問料に含めず、範囲を契約書に書いておきます。

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商品は「数字で結果を示せるテーマを1つ」から選ぶ

商品は、あなたが自分の店で数字の変化を示せるテーマから1つ選びます。美容室の悩みは幅広いので、全部を扱うより得意な1つに絞るほうが、顧問先に価値が伝わります。

厚生労働省「美容業の振興指針」(令和7年3月)を見ると、テーマにしやすい変化が読み取れます。美容店での1回あたりの費用は、平成27年は「4,000〜4,999円」が35.9%で最も多い層でした。令和5年4〜6月期は「6,000〜7,999円」が33.9%で最多です。今後の経営方針として「価格の再設定」を挙げた営業者は84.3%にのぼります。値付けとメニュー設計は、多くのオーナーが向き合っているテーマだと分かります。

テーマ顧問で扱う内容の例結果を示す数字の例
集客・リピート新規客の入口の整理、カウンセリングの型、次回予約の勧め方、来なくなった人へのフォロー新規数、2回目・3回目の再来率、次回予約率
採用と定着・教育求人文と面接の質問、アシスタントの教育表、デビューまでの段階、評価と面談の仕組み応募数、採用人数、1年後の定着率、デビューまでの期間
値付けとメニュー設計メニューの整理、値上げの順番と伝え方、店販とオプションの組み立て客単価、メニュー別の売上構成、値上げ後の再来率
出店と店長育成2店舗目の判断基準、店長候補の選び方、任せる仕事の順番、店ごとの数字の見方店舗数、各店の売上と利益、店長の定着
オーナーが現場を離れる仕組みオーナーの仕事の棚卸し、業務の手順書、予約と顧客データの管理、毎週の報告の型オーナーの施術時間の減り方、オーナー不在日の売上

表の数字は「何を見せれば伝わるか」の例です。始める前と後の数字が手元にあるテーマを選びましょう。指針も、営業者が取り組むことに業務の標準化やICT(予約受付・顧客データ管理など)の活用を挙げています。現場を離れる仕組みは、そこに経験があるオーナーなら商品になります。テーマ選びの前段階は美容室経営者がコンサルを始めるにはで解説しています。

テーマごとの進め方の例(期間ごとに何をするか)

顧問先が契約を決めやすいのは、「最初の何か月で、何をするか」が見える商品です。テーマごとに、期間ごとの進め方を決めておきます。

テーマ1か月目2〜3か月目4〜6か月目
集客・リピート新規の入口と、2回目に来なかった人の傾向を整理カウンセリングと次回予約の型を作り、スタッフでそろえる再来率をスタッフ別に見て、型を直す
採用と定着・教育辞めた理由と今いるスタッフの声を聞き取る求人文・面接の質問・教育表を作る評価の基準と面談の仕組みを整える
値付けとメニューメニュー別の売上・施術時間・原価を整理メニューを組み直し、値上げの順番と伝え方を決める客単価と再来率を毎月見て、調整する
出店と店長育成本店の数字と、オーナーがいないと回らない仕事を洗い出す店長候補を決め、任せる仕事の順番を決める店ごとの数字の報告と会議の型を作る
現場を離れる仕組みオーナーの1週間の仕事を書き出す手順書を作り、任せる仕事と相手を決めるオーナーの施術日を減らし、毎週の報告で確かめる

美容室では、売上がスタッフの指名や技術に左右されやすい特徴があります。そのため、どのテーマでも店全体の数字とスタッフ別の数字を分けて見る工程を入れておくと、顧問先と課題を共有しやすくなります。

値上げを扱う場合は、メニューと料金を店内やWebではっきり示すことも進め方に入れます。指針でも、メニューと料金の明示が営業者の取り組むべき事項に挙げられています。値上げの伝え方は、お客様が事前に分かる形にするのが基本です。

顧問料は「面談回数・随時相談・期間」から決める

顧問料は、①月の面談回数と時間 ②面談以外の相談(随時相談)の範囲 ③契約期間の3つを先に決めると、決めやすくなります。

  • 面談回数:月1回か2回か。店を訪ねるのか、オンラインか。訪問なら移動時間も含めて考えます。
  • 随時相談:LINEやメールで相談を受けるか。受けるなら、返信の目安(例:営業日2日以内)と範囲を決めます。
  • 期間:再来率や定着率の変化は数か月単位で表れるため、最初の契約は半年〜1年を目安に考えます。

次に、これらに使う1か月の時間を見積もります。面談、事前の数字の確認、資料づくり、随時相談の対応を足し、自分の1時間あたりの目安を掛けると下限が見えます。たとえば月8時間で1時間1万円を目安にするなら8万円です(数字は計算の例です)。

形も1つではありません。1回ごとの相談、月額の顧問、6か月などの期間パッケージの3つが考えられます。最初は1回の相談で課題を整理し、続けたい店と月額の顧問を結ぶ流れにすると、顧問先も試しやすくなります。

美容室向けコンサルの顧問料に、公的な統計や相場はありません。参考として、発注先の比較サイトにある美容業界向けコンサル会社の一覧を確認しました(2026年10月23日)。次のような料金が公開されている例として載っています。

  • 経営相談が2時間で3万5,000円〜
  • 顧問が月額10万円〜、別の会社で月額25万円〜
  • 短期6か月で49万9,800円〜
  • オンラインのお試しが90分で2万2,000円〜

いずれも税込か税抜かの記載はありません。内容も単位もそろっておらず、ここから相場は決められません。コンサル全般の顧問料の考え方はコンサルの顧問料の決め方と相場にまとめています。

美容室の数字で、顧問先の負担感を確かめる

決めた顧問料は、顧問先の店の規模と客単価に置き換えて、負担感を確かめると現実的な金額になります。美容室は小さな店が多いからです。

振興指針によると、従業者5人未満の事業者は86.7%です。多くの店では、オーナー自身も施術に入りながら経営をしています。顧問料は、その店の売上から毎月出ていくお金です。

考え方の例として、顧問料を「お客様何人分の売上か」に置き換えてみます。1回あたりの費用で最も多い層は6,000〜7,999円でした。仮に客単価7,000円の店で月5万円の顧問料なら、約7人分の来店の売上にあたります(数字は計算の例です)。利益で見れば、さらに多くの来店が必要です。

この置き換えをすると、顧問先にどんな変化を出せば見合うかも見えてきます。たとえば「2回目の再来が月に何人増えれば顧問料を上回るか」を面談で一緒に計算すると、顧問先は判断しやすくなります。ただし、これは成果の約束ではなく、取り組みの目安として示します。

時間の負担も見ておきます。オーナーが施術に入っている店では、営業中の面談は難しいことがあります。定休日や営業前後に面談を置く、1回の時間を短くして回数で補うなど、顧問先の働き方に合わせた設計にします。どんな店を顧問先にするかは顧問先になる美容室オーナーの集め方で解説しています。

財務コンサルとの分担と、料金を分ける・まとめる方法

店の現場の仕組みはオーナーが、お金の判断は財務コンサルが担当すると、顧問先に出せる提案の幅が広がります。美容室の場合は、次のように分けると分かりやすくなります。

  • オーナーが担当:集客・リピートの型、採用と教育、メニューと値上げの進め方、店長の育成、オーナーの仕事の任せ方
  • 財務コンサルが担当:資金繰り、2店舗目の資金計画と融資、値上げや人件費の変化が利益と返済にどう効くかの確認

料金の出し方は、まとめる(どちらかが1つの顧問料で請求し、決めた割合や定額で相手に支払う)か、分ける(それぞれが顧問先と契約して請求する)かの2つです。まとめると窓口と請求書が1つで済み、小さな店には分かりやすい形です。分けると責任の範囲がはっきりします。

どちらにしても、担当範囲、顧問料の分け方、誰が請求するか、顧問先への説明のしかたを始める前に書面で決めます。分け方の比較や契約で決める項目は財務コンサルとの提携方法で詳しく解説しています。

顧問料に含めない範囲と、契約に書く要点

美容室の顧問では、労務の手続き書類は社労士、税務は税理士に任せ、施術の責任は店にあることを契約書に書いておきます。

労務の書類:対象は、労働社会保険の法令に基づく申請書・帳簿書類の作成や提出の代行です。厚生労働省によると、これらは社労士でない者が報酬を得て業として行ってはならないとされています。採用や評価の仕組みの相談は扱えても、就業規則の届出や社会保険の手続き書類は社労士につなぎます。

税務:国税庁は、税務代理・税務書類の作成・具体的な税務相談を、税理士でない者が行ってはならない業務としています。無償でも禁止されます。値上げや出店の相談で税金の話が出たら、税理士に確認してもらいます。

施術技術の講習:美容師法では、美容師の免許がない人は美容を業として行えません。技術講習を顧問に含めるなら、対象を免許のあるスタッフに限ります。講習の回数と料金のどの部分か、お客様への施術の責任は店にあることも書きます。免許のないスタッフに施術をさせる方向の助言はしません。

契約書には、少なくとも次の項目を入れます。

  • 扱うテーマと、期間ごとに行うこと(上の進め方の表)
  • 扱わない範囲(労務の書類、税務、施術の責任、法律の判断など)
  • 面談の回数・時間・方法と、随時相談の手段・返信の目安
  • 契約期間、更新、途中でやめるときの扱い
  • 顧問料、支払日、訪問時の交通費の扱い、財務コンサルとの分担
  • 秘密保持と、お客様の個人情報の扱い

「売上が◯%上がる」のような成果の約束は避け、取り組む内容を約束する形にします。規制や範囲の詳細は美容室コンサルの注意点、契約書の作り方は顧問契約の始め方で解説しています。個別の判断は、社労士・税理士・弁護士に確認してください。

自分で始めるか、仕組みづくりを任せるか

ここまでの、テーマ選び・進め方・顧問料・負担感の確認・分担・契約は、オーナーが自分で決められます。まずは1つのテーマで進め方の表を作り、知り合いのオーナー1〜2人に見せて反応を確かめるのが現実的な一歩です。

一方で、知らないオーナーに見つけてもらうには、記事・LP・無料診断・LINE・面談予約・広告運用などの準備と毎月の運営が必要です。店の経営と並行すると、負担は小さくありません。

集客の仕組みまで任せたい方向けの選択肢もあります。当社(株式会社GSホールディングス)では、財務コンサルとの立ち上げ支援と集客システムの構築・運営をセットにした美容室向けのプランを月30万円〜(税別、広告費は別)でご用意しています。30分のオンライン無料相談では、その場で契約を求めることはありません。

よくある質問

美容室向けコンサルの顧問料の相場はいくらですか?

公的な統計はなく、相場を断定できる情報はありません。比較サイトに公開されている料金も、2時間の相談から月額の顧問、6か月の期間パッケージまで内容と単位がばらばらです。面談回数・随時相談・期間と、それにかかる時間から自分で決めるのが基本です。

最初の商品は、いくつのテーマで作るべきですか?

1つで始めるのがおすすめです。自分の店で始める前と後の数字を示せるテーマを選ぶと、顧問先に価値が伝わりやすくなります。慣れてから2つ目のテーマを加えます。

顧問料が高いと言われたら、どう考えればよいですか?

顧問料を顧問先の客単価で割り、お客様何人分の売上かに置き換えて一緒に確かめます。そのうえで面談回数や期間を調整した軽い形を用意すると、顧問先が選びやすくなります。

顧問先の就業規則や社会保険の手続きも手伝ってよいですか?

労働社会保険の法令に基づく書類の作成や提出の代行は、社労士でない者が報酬を得て業として行えません。仕組みの相談にとどめ、書類は社労士につなぎます。

カットやカラーの技術講習を顧問に入れてもよいですか?

入れることはできますが、対象は美容師免許のあるスタッフに限ります。講習の回数と料金、お客様への施術の責任は店にあることを契約書に書いておきましょう。

NEXT STEP

業界の経験に、財務の目を。信頼されるコンサル事業を、2人で始める。

現場は社長、数字は財務コンサル。2店舗目や資金繰りまで相談に乗れる顧問サービスにして、顧問先を集める仕組みと立ち上げの助言は当社が担当します。月30万円〜(税別)・広告費は別。事例づくりにご協力いただける先着3社は、2年契約で初期費用0円です。

参考にした資料

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